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スイープトウショウ完全ガイド|血統・成績・エピソードで辿る生涯

スイープトウショウ






スイープトウショウ完全ガイド|血統・成績・エピソードで辿る生涯






スイープトウショウとは?【競走馬プロフィール】

スイープトウショウは牝馬ながら古馬混合G1を制した名牝で、持続力と自在性を武器に中距離戦線で存在感を示しました。

宝塚記念エリザベス女王杯を制し、牝馬三冠の最終戦である秋華賞も勝利して通算G1・3勝を挙げています。

父は米系スピードの名種牡馬エンドスウィープ、母は名門トウショウ牝系のタバサトウショウで、母父は英仏の名馬ダンシングブレーヴです。

国内通算は24戦8勝で、最優秀4歳以上牝馬にも選出されるなど世代を超えて高い評価を受けました。

生年月日 2001/05/09
性別・毛色 牝・鹿毛
生産 トウショウ産業株式会社トウショウ牧場(北海道)
調教師 鶴留明雄/栗東
馬主 トウショウ産業(株)
通算成績 24戦8勝
主な勝ち鞍 ファンタジーS(G3)、紅梅S(OP)、チューリップ賞(G3)、秋華賞(G1)、宝塚記念(G1)、エリザベス女王杯(G1)、京都大賞典(G2)
エンドスウィープ
タバサトウショウ(母父:ダンシングブレーヴ




目次

スイープトウショウの血統背景と特徴

エンドスウィープは米国短距離系のスピードを伝える種牡馬で、産駒は先行力とコーナリングの良さを兼備します。

タバサトウショウはトウショウ牝系の基礎力を受け継ぐ繁殖で、母父ダンシングブレーヴ由来のしなやかなフォームと底力が強みでした。

この配合から生まれたスイープトウショウは、直線の瞬発だけでなくコーナーからスピードを落とさず加速を続けるロングスパート能力に優れ、道中のリズムが崩れにくいのが特徴です。

小回り内回りでペースが緩みにくい展開でより威力が高まり、持久力勝負でもバテずに脚を伸ばす持続力で牡馬相手にも互角以上に戦いました。

スイープトウショウの父馬・母馬の戦績と特徴

エンドスウィープは米国G1ウィナーではありませんが、産駒は日本で成功し、先行力と機動力を伝えることで知られます。

母系はトウショウ一族らしく体幹の強さと芯の通った走りが武器で、母父ダンシングブレーヴの影響で上体の柔らかさが加わりました。

そのためスイープトウショウは直線一気よりも、3〜4コーナーで加速を始めて長く脚を使う型が合い、隊列が縦長になる展開で真価を発揮しました。

同時に早めに動いても止まらない持久力があり、強い相手に対しても自ら動いてねじ伏せる競馬ができる資質を示しました。

スイープトウショウの血統から見る適性距離と馬場

適性は芝1600〜2200が中核で、ペースが緩まず淀みなく流れる中距離が最も合います。

コーナーでスピードを維持できるため、内回りのコースや直線の短い舞台でも見劣らず、阪神内回りや京都内回りでの高い適性が光りました。

道悪ではパワーを要する分だけ終いの粘りで優位に働きやすく、稍重でもパフォーマンスの下降は小さかったです。

総じて、長く脚を使う持続戦で能力を最大化し、極端な瞬発力勝負より巡航速度の高さで勝負するタイプでした。




スイープトウショウのデビューまでの歩み

育成段階から背腰の柔らかさと踏み込みの深さが目立ち、キャンターでもフォームのブレが少ないタイプでした。

気性は前向きながら折り合いに従順で、負荷を上げても呼吸が乱れにくい基礎体力が調整面での強みでした。

デビューは京都の2歳新馬で、余力残しの先行抜け出しで勝利し、続くファンタジーSでは2歳牝馬の中でも屈指の完成度を披露しました。

牝馬路線を牽引する素質は早くから示され、冬場の紅梅Sでもスピードを誇示して世代上位の地位を固めました。

スイープトウショウの幼少期から育成牧場での様子

放牧地ではトモの可動域が広く、スピードに乗っても上体が硬くならないのが長所でした。

基礎付けでは呼吸とピッチの整合を重視し、道中でギアを上げてもフォームが崩れないよう繰り返し鍛えられました。

坂路よりもコース追いで良さが出るタイプで、長めから入って終いでしっかり伸びるロングスパートのメニューに適性を見せました。

これらの蓄積が、後年の古馬G1で牡馬相手に互角以上の戦いを演じる基盤となりました。

スイープトウショウの調教師との出会いとデビュー前の評価

鶴留明雄調教師は早い段階で中距離適性と機動力の双方を評価し、無理に速い時計を出すよりも反応とリズムを整える調整に重きを置きました。

追い切りは終い重点で加速区間を長めに取り、実戦では3〜4コーナーから進出して押し切る戦法の礎を築きました。

関係者の評価は一貫して高く、デビュー前からオープン級の資質と見られていたことが、早期からの重賞制覇につながりました。

育成の段階で培った基礎体力が、長いキャリアの安定感を支える要素になりました。




スイープトウショウの競走成績とレース内容の詳細

2歳時から重賞を制し、3歳春はマイル〜中距離で地力を示して秋の秋華賞を戴冠しました。

4歳では春の安田記念で2着と健闘し、続く宝塚記念で牡馬を撃破して頂点に到達しました。

その後も天皇賞(秋)やエリザベス女王杯で安定して上位争いを繰り広げ、6歳秋まで一線級で走り抜きました。

キャリアを通じてコーナーから勢いをつける機動力と終いの粘りで勝ち切る内容が多く、負けたレースにも明確な文脈がありました。

スイープトウショウの新馬戦での走りとその後の成長

新馬戦は先行して直線で余裕を持って抜け出す完成度の高い内容で、続くファンタジーSでも道中からスムーズに加速を続けて押し切りました。

3歳春はチューリップ賞を制してクラシックの主役に躍り出て、桜花賞は展開の綾で5着も内容は悪くありませんでした。

オークスでは内で脚を溜めて直線で鋭く伸び、勝ち馬ダイワエルシエーロにクビ差まで迫る2着で適性の広さを示しました。

秋はローズS3着から秋華賞で巻き返し、古馬戦線でも通用する土台を確立しました。

スイープトウショウの主要重賞での戦績と印象的な勝利

2005年の宝塚記念は11人気ながら好位外目から長く脚を使って抜け出し、強豪牡馬ハーツクライらを完封しました。

同年のエリザベス女王杯では4角手前から進出を開始し、直線で先行各馬を捕らえて押し切り完勝しました。

3歳時の秋華賞はスムーズな立ち回りから最後にもうひと伸びして差し切り、世代頂点の座に就きました。

2006年の京都大賞典でも早め進出で最後までスピードを落とさず、古馬中長距離路線での実力を改めて証明しました。

スイープトウショウの敗戦から学んだ課題と改善点

瞬発力に偏る超スローの瞬発戦では切れ味勝負で見劣る場面があり、仕掛けのタイミングと進路確保が成否を分けました。

一方で平均〜やや締まった流れなら中盤から持続加速に入って長く脚を使えるため、位置取りを前受け気味に修正することで敗戦を糧にしました。

スタート後の二完歩でリズムに乗せ、隊列の変化に合わせて早めに圧をかけていく運びにシフトしてからは、終いの甘さが解消されました。

こうした改善がG1での勝ち切りの再現性を高め、混合戦でも通用する完成形に到達しました。




スイープトウショウの名レースBEST5

スイープトウショウの名レース第5位:京都大賞典(G2)

2006年の京都大賞典は、秋の始動戦ながら勝ち切りの内容でした。

道中は中団外目でロスを抑え、3〜4コーナーでスムーズに進出して直線半ばで先頭へ。

最後までペースを落とさない巡航速度の高さで押し通し、実質的に勝負どころからの長い加速で他馬の脚を封じました。

古馬一線級の中で自力で動いてねじ伏せる競馬ができることを示した価値ある勝利でした。

スイープトウショウの名レース第4位:秋華賞(G1)

ローズSからの上積みを活かし、本番では立ち回りと末脚の両立でタイトルを手にしました。

3コーナー手前からジワッと加速し、直線では内外の進路を柔軟に選んでロングスパートで押し切り。

ペースが緩まず隊列が縦長になったことで持ち味が際立ち、牝馬三冠の掉尾を飾るにふさわしい内容でした。

以後の混合G1制覇へとつながる完成度の高さが、この一戦で明確になりました。

スイープトウショウの名レース第3位:安田記念(G1)

マイル王決定戦での2着は、距離短縮でも対応可能な器用さを証明しました。

序盤は中団の外で運び、3コーナーから徐々に進出して直線は馬群を割って鋭く伸びました。

勝ち馬アサクサデンエンにクビ差まで迫る粘りで、平均以上の流れの中で最後までスピードを落とさない持続力が光りました。

この好走が同年のグランプリ制覇への布石となりました。

スイープトウショウの名レース第2位:エリザベス女王杯(G1)

2005年のエリザベス女王杯は、勝負どころから早めに動いて押し切る横綱相撲でした。

直線での減速が小さく、最後まで加速域を保つ持久力で押し通して重賞制覇。

相手関係も強力でしたが、4角の出口で肩ステッキに応えてもうひと伸びし、ゴールまで集中力を切らしませんでした。

牝馬限定戦での地力の違いを明快に示した一戦でした。

スイープトウショウの名レース第1位:宝塚記念(G1)

阪神2200の内回りで真価を発揮し、11人気の低評価を覆す会心の勝利でした。

序盤は中団でリズムを整え、3コーナーからペースを落とさず加速。

直線入口で先頭に並びかけると、そのままトップスピード持続で押し切りました。

牡馬の一線級を相手に内容で上回り、以後のG1戦線における立ち位置を決定づけた金字塔です。




スイープトウショウの同世代・ライバルとの比較

牝馬同士ではダイワスカーレットアドマイヤグルーヴヤマニンシュクルらと激戦を繰り広げ、混合戦ではディープインパクトハーツクライら一線級とも互角の内容を示しました。

瞬発力勝負で見劣る場面はあっても、平均以上の流れでの総合力勝負では優位に立つことが多く、舞台設定がはまれば牡馬相手でも主役を張れる地力がありました。

国内G1・G2の舞台で積み重ねた実績は、同世代の牝馬の中でもトップクラスといえる厚みです。

特に小回りの中距離での安定感は群を抜き、グランプリの舞台でそれが結実しました。

スイープトウショウの世代トップクラスとの直接対決

世代牝馬路線ではヤマニンシュクルアズマサンダース、古馬になってからはアドマイヤグルーヴオースミハルカらとしのぎを削りました。

混合戦ではハーツクライアサクサデンエン、天皇賞(秋)ではヘヴンリーロマンスらと対峙し、展開次第で互角以上の内容を残しています。

極端な切れ味勝負では一歩及ばないことがあっても、コーナーで減速しない運びに持ち込めれば地力の差で押し切る再現性が高い馬でした。

対戦経験の蓄積が戦術の幅を広げ、古馬になってからの安定感につながりました。

スイープトウショウのライバルが競走成績に与えた影響

ディープインパクトが支配した世代環境の中で、別の勝ち筋を確立したことは大きな意味がありました。

またダイワスカーレットの先行力、ハーツクライのロングスパート性能など、ライバルの長所を意識した運びを学ぶことで、最適解の選択が洗練されました。

結果として平均以上の流れでの持続戦に寄せる戦略が固まり、混合G1でも安定して上位に進出する下地が整いました。

ライバルの存在が完成度を押し上げた好例といえます。




スイープトウショウの競走スタイルと得意条件

理想は道中で一定ラップを刻み、3〜4コーナーからスピードを落とさず加速していく展開です。

小回り内回りでの立ち回りに優れ、進路取りの巧さでロスを抑えられるのが武器でした。

枠は内外を問わず対応できますが、内で脚を溜めて直線で外へ出す形が最も強みを引き出しやすいです。

馬場は良〜稍重で安定しており、道悪でもストライドが乱れにくい安定感があります。

スイープトウショウのレース展開でのポジション取り

スタート後の二完歩で中団のポジションを確保し、道中は呼吸を整えながら外目で進出のスペースを確保します。

残り800m付近から徐々にスピードを上げ、3〜4コーナーで持続加速へ移行。

直線は進路の自由度を高めて一気にトップスピードへ達し、その速力をゴールまで維持します。

極端なスローでは末脚比べになりやすく、その場合は早め進出で対応するのが最適解でした。

スイープトウショウの得意な距離・馬場・季節傾向

ベストは芝1800〜2200で、マイルの高速戦にも十分対応可能です。

馬場は時計がかかる状況でのパフォーマンスが高く、稍重でも推進力が落ちにくいのが強みでした。

季節は春と秋の中距離G1でピークに達しやすく、夏のグランプリ前後での充実期が目立ちます。

総じて舞台や気象条件に左右されにくい再現性の高いパフォーマンスが持ち味でした。




スイープトウショウの引退後の活動と功績

引退後は繁殖牝馬としてトウショウ牧場で繋養され、国内の有力種牡馬との配合が重ねられました。

産駒は勝ち上がりを積み重ね、母系としての地力の高さを示しています。

現役時代に示した持続力と機動力のバランスは、次世代においても魅力的な資質として注目されています。

名牝として血統面での影響を今後も広げていく存在です。

スイープトウショウの種牡馬・繁殖牝馬としての実績

配合面ではスピードの持続に優れた系統とのニックスが良好で、中距離レンジで融通の利くタイプの産駒が目立ちます。

牝系の芯が強く、勝負どころで踏ん張れるメンタルの強さを伝える傾向が見られます。

今後も重賞戦線で存在感を示す後継が現れる可能性があり、母系の価値は引き続き高い評価を受けるでしょう。

繁殖牝馬としてのポテンシャルは十分で、血脈の拡張が期待されます。

スイープトウショウの産駒の活躍と後世への影響

直仔のみならず、牝系としてもスピード持続型の強みを伝える基盤となるでしょう。

国内中距離の質の高いレースで適性を示す産駒が登場すれば、母系の評価はさらに高まります。

機動力とスタミナのバランスに優れ、コースや馬場への対応力を次世代へ継承していくと考えられます。

長期的に見て日本の中距離路線で重要な血脈の一つとして位置付けられるはずです。




スイープトウショウのよくある質問(FAQ)

Q.主な勝ち鞍は?

A.ファンタジーS(G3)、チューリップ賞(G3)、秋華賞(G1)、宝塚記念(G1)エリザベス女王杯(G1)、京都大賞典(G2)です。

Q.ベストの適性距離は?

A.芝1800〜2200が最適で、コーナーで減速しない内回りや中距離戦での持続戦が合います。

マイルの平均以上の流れにも対応し、道悪でもパフォーマンスの落ちが小さいのが特徴です。

Q.代表的なライバルは?

A.ダイワスカーレットアドマイヤグルーヴヤマニンシュクル、混合戦ではディープインパクトハーツクライアサクサデンエンが挙げられます。




スイープトウショウの成績表

日付 開催 レース名 人気 着順 騎手 距離 馬場 タイム
2003/10/18 京都 2歳新馬 1 1 角田晃一 芝1400m 1:22.9
2003/11/09 京都 ファンタジーS(G3) 2 1 角田晃一 芝1400m 1:22.6
2003/12/07 阪神 阪神ジュベナイルフィリーズ(G1) 1 5 角田晃一 芝1600m 1:36.1
2004/01/18 京都 紅梅S(OP) 1 1 角田晃一 芝1400m 1:21.9
2004/03/06 阪神 チューリップ賞(G3) 1 1 池添謙一 芝1600m 1:35.5
2004/04/11 阪神 桜花賞(G1) 2 5 池添謙一 芝1600m 1:34.5
2004/05/23 東京 オークス(G1) 4 2 池添謙一 芝2400m 稍重 2:27.3
2004/09/19 阪神 ローズS(G2) 2 3 池添謙一 芝2000m 1:59.1
2004/10/17 京都 秋華賞(G1) 2 1 池添謙一 芝2000m 1:58.4
2004/11/14 京都 エリザベス女王杯(G1) 1 5 池添謙一 芝2200m 2:13.9
2005/05/08 京都 都大路S(OP) 1 5 池添謙一 芝1600m 1:34.6
2005/06/05 東京 安田記念(G1) 10 2 池添謙一 芝1600m 1:32.3
2005/06/26 阪神 宝塚記念(G1) 11 1 池添謙一 芝2200m 2:11.5
2005/10/09 東京 毎日王冠(G2) 2 6 池添謙一 芝1800m 稍重 1:47.1
2005/10/30 東京 天皇賞(秋)(G1) 4 5 池添謙一 芝2000m 2:00.4
2005/11/13 京都 エリザベス女王杯(G1) 2 1 池添謙一 芝2200m 2:12.5
2006/10/08 京都 京都大賞典(G2) 2 1 池添謙一 芝2400m 2:31.5
2006/10/29 東京 天皇賞(秋)(G1) 1 5 池添謙一 芝2000m 1:59.2
2006/11/12 京都 エリザベス女王杯(G1) 2 2 池添謙一 芝2200m 2:11.6
2006/12/24 中山 有馬記念(G1) 5 10 池添謙一 芝2500m 2:32.9
2007/04/14 阪神 マイラーズC(G2) 2 2 池添謙一 芝1600m 1:32.4
2007/05/13 東京 ヴィクトリアマイル(G1) 2 9 池添謙一 芝1600m 1:33.2
2007/10/27 京都 スワンS(G2) 4 4 池添謙一 芝1400m 稍重 1:21.1
2007/11/11 京都 エリザベス女王杯(G1) 2 3 池添謙一 芝2200m 2:12.2





スイープトウショウのまとめ

コーナーで減速せずに加速し続ける機動力と、直線まで持続する巡航速度スイープトウショウの真骨頂でした。

芝1800〜2200でピークを迎え、牝馬限定戦のみならず混合G1でも堂々と主役を張れる地力を証明しました。

繁殖としてもその資質を次代へ伝え、日本の中距離路線において長く語り継がれる存在であり続けます。


-2001年生まれ, 牝馬
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