1995年生まれ 牡馬

エルコンドルパサー完全ガイド|血統・成績・エピソードで辿る生涯

エルコンドルパサー






エルコンドルパサー完全ガイド|血統・成績・エピソードで辿る生涯


エルコンドルパサーとは?【競走馬プロフィール】

エルコンドルパサーは日本調教馬として初めて凱旋門賞で2着に入った歴史的名馬で、国内ではNHKマイルカップジャパンカップを制し、翌年の欧州遠征でサンクルー大賞フォワ賞を勝利しました。
父は世界的名種牡馬Kingmambo、母はサドラーズギャル(母父サドラーズウェルズ)という名門配合で、マイルから2400メートルまで幅広い条件で高い再現性を示しました。
東京2400メートルのジャパンカップでは好位から長く良い脚で抜け出し、欧州では洋芝の消耗戦でも踏ん張る底力を披露し、モンジューと歴史的名勝負を演じました。
通算11戦8勝(2着3回)で3着以下なしという安定感を誇り、日本競馬の国際的評価を一段押し上げた存在です。

生年月日 1995年3月17日
性別・毛色 牡・黒鹿毛
生産 米国・Takashi Watanabe
調教師 二ノ宮敬宇/美浦
馬主 渡邊隆
通算成績 11戦8勝(2着3回)
主な勝ち鞍 NHKマイルカップ(1998)/ジャパンカップ(1998)/サンクルー大賞(1999)/フォワ賞(1999)
Kingmambo
サドラーズギャル(母父:サドラーズウェルズ






目次

本記事では血統背景、デビューまでの歩み、主要重賞を含む競走成績の推移、名レースBEST5、同世代比較、競走スタイル、引退後の歩みを順に解説します。
各章は句点ごとに改行し、重要語句は赤マーカーで強調し、馬名は青マーカーで示します。
必要に応じて目次から各章へ移動し、知りたいトピックをピンポイントでご覧ください。






エルコンドルパサーの血統背景と特徴

エルコンドルパサーは父Kingmambo、母サドラーズギャルという世界的に見ても注目度の高い黄金配合で生まれました。
KingmamboMr. Prospector直仔にして名牝Miesqueを母に持ち、気品あるトップスピードと持続力、そして折り合いの付けやすさを伝えることで知られます。
母父サドラーズウェルズは欧州芝の王道血統で、骨量に裏付けられたパワーと心肺機能を供給し、これが日本の高速馬場でも洋芝の消耗戦でも崩れない“二刀流”の基礎となりました。
近親には名牝群や名種牡馬が並び、配合上の要所にスピード×底力の補完関係が構築されています。
その結果、マイルでは瞬時に先頭圏へ押し上げる加速、2400メートルでは先行して最後まで脚色を落とさない持久力という希少な万能性を獲得しました。
肩の可動域が広く背中が柔らかいため跳びが大きく、コーナーでスピードを落とさない走法が道中のロスを最小化します。
さらに気性の前向きさとオン・オフの切り替えが巧みで、遠征や連戦でもパフォーマンスが大きくブレにくい安定性を持っていました。
血統表の字面だけでなく、機能面が実戦で高い再現性を伴って表出した“配合の成功例”と言えます。

エルコンドルパサーの父馬・母馬の戦績と特徴

Kingmamboは仏2000ギニー、ムーランドロンシャン賞などマイルG1を制した名馬で、産駒は操縦性が高く高回転で長く脚を使える点が共通項です。
祖父Mr. Prospector由来の推進力に、母Miesqueのしなやかさが加わり、直線での速度維持能力を強く伝えます。
サドラーズギャルは競走実績こそ目立たないものの、母父サドラーズウェルズの強靭な体幹と心肺を受け継ぎ、前躯の力強さと胸前の厚み、長いストライドを本馬に伝えました。
牝系にはスペシャルや全妹リサデールら良質な資源が並び、柔らかい上半身と安定した着地から推進への移行という“機能的な走り”を後押ししました。
これらの要素が噛み合った結果、国内の上がり勝負でも、欧州の持久力戦でも同じ勝ち筋を繰り返し描ける再現性が備わりました。
実際にデビューから異なる条件で連勝し、その後も距離延長・馬場替わりを問わず崩れにくい安定感を示しています。
血統の“字面の豪華さ”に留まらず、運動学的に理にかなった伝達がなされている点が特筆されます。

エルコンドルパサーの血統から見る適性距離と馬場

ベストレンジは1600~2400メートルで、特に2000~2400メートルでは先行押し切りの信頼度が極めて高いです。
東京のような直線の長いコースでは道中を平均~やや速めで運び、直線は早め先頭から長い脚を継続するのが理想形です。
欧州では踏み固められた洋芝や雨で重くなった馬場でもトビが鈍らず、向正面で主導権を握ってそのまま押し切る設計が有効でした。
瞬時のギアチェンジよりも巡航速度の高さとコーナーでスピードを落とさない走法が武器で、ラップが緩まず刻まれるほど力が浮き彫りになります。
気温や風の影響があってもフォームの再現性が崩れにくく、春~初夏と秋にピークを作りやすい体質も武器でした。
総じて、条件が厳しくなるほど真価を発揮する“消耗戦耐性”が際立つタイプです。






エルコンドルパサーのデビューまでの歩み

米国生まれながら日本で育成され、早い段階から骨量と伸びやかなキャンターが高評価でした。
育成期は前向きかつ賢く、負荷を強めても飼い葉食いが落ちにくい体質で、坂路でもキャンターのリズムが崩れない点が印象的でした。
デビューの舞台にダートを選んだのは、当時の番組事情と完成度を踏まえた合理的設計で、2歳秋の新馬、年明けの500万下を連勝して基礎体力とメンタルを固めました。
悪天候で共同通信杯がダートへ変更される特殊条件でも勝ち切ったことで、能力の“底”が高いことを関係者が共有。
その後は芝の短距離~マイルにスイッチし、スピード耐性と操縦性を武器に一気にG1戦線へ名乗りを上げました。
輸送や環境変化への適応も早く、のちの欧州遠征に通じるタフさを早期から備えていた点が本馬の特徴です。

エルコンドルパサーの幼少期から育成牧場での様子

幼少期から筋肉の張りと骨格の均整が取れており、首差しの太さに比して肩の出が柔らかく、体幹の安定感が際立っていました。
坂路の入りで躊躇がなく、キャンターでもストライドを保ったまま手前替えがスムーズで、直線で自然に加速できる素地がありました。
冬場の寒さでも硬さが出にくい体質で、追い切りを重ねてもテンションが上がり過ぎない性格は競走生活の大きなアドバンテージでした。
併せ馬では抜け出してから気を抜かない集中力を見せ、馬群の中でも怯まない胆力が早くから形成されていました。
育成スタッフは“速い時計の後でも息の戻りが早い”点を強調し、これはのちの長距離輸送や海外のタフなレースでの強みへ直結しました。
映像確認とフィードバックでフォームの微修正を積み上げ、接地から推進への移行効率を磨いたことが、実戦での長所をさらに伸ばしました。

エルコンドルパサーの調教師との出会いとデビュー前の評価

管理する二ノ宮敬宇調教師は“美しいフォームの再現性”に着目し、坂路とコース追いを組み合わせた終い重点メニューで基礎を強化しました。
心拍の戻りが速く、負荷をかけても馬体の張りが落ちない点が評価され、実戦ではポジションを取りに行ける強みを最大化するプランを採用。
ゲート練習でも出脚が鋭く出遅れの不安が少ないため、先行して長く脚を使うスタイルを前提に育成が進みました。
結果として2歳新馬~年明け500万下~重の共同通信杯まで3連勝、芝への転向後もニュージーランドTNHKマイルCを連勝し、古馬相手のG1でも勝ち負け可能と評価が一段と高まりました。
“稽古で作った加速曲線をレースで再現する”という哲学が、キャリア全体の安定性を支えています。






エルコンドルパサーの競走成績とレース内容の詳細

2歳秋のダート新馬を快勝し、年明けの500万下、悪天候でダートへ替わった共同通信杯までを連勝して土台を確立しました。
芝転向後はニュージーランドトロフィーNHKマイルカップを連勝して世代マイル王に即位。
秋の毎日王冠サイレンススズカの歴史的逃げに屈して2着でしたが、厳しい平均以上のラップを自ら追いかけての好内容でした。
続くジャパンカップでは内目の好位から直線早め先頭でエアグルーヴスペシャルウィークらを完封し、2400メートルでの完成度を証明しました。
翌年はフランス遠征でイスパーン賞2着を経て、距離延長のサンクルー大賞と前哨戦フォワ賞を先行押し切りで快勝。
目標の凱旋門賞では重い馬場の消耗戦を主導して半馬身差の2着と、世界の頂点に肉薄しました。
全11戦で3着以下なしという安定感は、先行しつつL2以降まで脚色が落ちにくい走法の賜物です。

エルコンドルパサーの新馬戦での走りとその後の成長

東京ダ1600メートルの新馬は好発から3番手で折り合い、直線は持ったままで抜け出す余裕の勝ち方でした。
中山ダ1800メートルの500万下は向正面でスッと進出し、4角先頭から押し切り。
悪天候でダートに替わった共同通信杯でも馬群を割る胆力を見せ、二枚腰で突き抜けて3連勝としました。
芝に替わった春の2戦は1400メートルで序盤やや忙しいリズムでしたが、直線でストライドを伸ばしてねじ伏せ、マイルG1でも外へ持ち出してロングスパートを再現。
秋の毎日王冠では初黒星ながら内容は高評価で、以後の距離延長と先行押し切り型への最適化が一気に進みました。
デビューからの一連の流れは“再現可能な強さ”が段階的に強化されていくプロセスそのものでした。

エルコンドルパサーの主要重賞での戦績と印象的な勝利

ジャパンカップは好位内で折り合い、3~4角で自然に進出、直線は早め先頭で力勝負。
外から迫るスペシャルウィーク、内から食い下がる名牝エアグルーヴの追撃を二枚腰で退けました。
フランス遠征はイスパーン賞2着で始動し、距離2400メートルのサンクルー大賞で欧州G1初制覇。
叩きのフォワ賞も先行抜け出しの理想形で、最大目標の凱旋門賞では直線半ばまで主導権を維持し、最後にモンジューの瞬発力に半馬身差だけ屈しました。
当時の欧州の層の厚さを踏まえれば、このシリーズの内容は世界基準でもトップクラスで、持久力と戦術の完成度を強く印象づけました。

エルコンドルパサーの敗戦から学んだ課題と改善点

毎日王冠サイレンススズカの刻む速いラップを追いかけたロスがあり、相手が歴史的なパフォーマンスを発揮した“負けて強し”の一戦でした。
イスパーン賞は初戦特有の息の乱れと距離短縮による忙しさが出たものの、その後の2400メートル戦では強みである巡航持続力を全面に押し出して矯正に成功。
凱旋門賞は勝ちにいく積極策で限界まで押し切り、最後の数完歩でモンジューに捕らえられた形で、敗因は明確でした。
いずれも“何が足りなかったか”が具体的で、以後のローテと戦法で補正可能な範囲に収まり、総合的な完成度をさらに高める学習材料となりました。






エルコンドルパサーの名レースBEST5

エルコンドルパサーの名レース第5位:NHKマイルカップ

東京芝1600メートルの3歳マイル王決定戦。序盤は中団外で脚を溜め、3~4角で息を入れ過ぎずスムーズに外へ持ち出しました。
直線は残り400メートル手前からロングスパートに入り、フォームを崩さず伸び続けて完勝。
上がりだけに依存せず、道中のポジショニングと巡航速度の高さで他馬をねじ伏せた点が価値です。
“スピードの質×持続力”という本馬の本質が、初のG1舞台で早くも可視化された一戦でした。

エルコンドルパサーの名レース第4位:フォワ賞

本番凱旋門賞の前哨戦。スタート直後から主導権を主張し、道中は一定のラップで淡々と運びました。
直線に入っても脚色が衰えず、後続の差し込みを許さない内容で完勝。
欧州の洋芝で“先行して押し切れる”ことを証明し、本番の戦術選択に自信を与えました。
この勝利が、直線半ばまでリードを保つ本番の大胆なレース運びへとつながります。

エルコンドルパサーの名レース第3位:サンクルー大賞

欧州G1初制覇。相手関係・馬場状態ともに厳しい条件でしたが、先行策からラストまでフォームが乱れず持久戦のラップで押し切りました。
日本の高速馬場で鍛えた巡航速度が、やや重い洋芝でも通用することを示した象徴的な勝利。
ゴール前で迫られても矯めを効かせた二枚腰で凌ぎ切り、精神面の強さも含め完成度の高さを印象づけました。

エルコンドルパサーの名レース第2位:ジャパンカップ

古馬一線級が集う東京芝2400メートル。内目の好位で折り合い、3~4角で自然に進出、直線は早め先頭の王道。
外から迫るスペシャルウィーク、内で粘るエアグルーヴという強力布陣を完封しました。
ペースは淀みなく、ラストまで脚色が鈍らない特性が最大限に生きた内容で、距離の壁を持たない万能型であることを確定させました。

エルコンドルパサーの名レース第1位:凱旋門賞

世界舞台の大一番。重い馬場で先行各馬がバテる消耗戦となる中、スタートから迷いなくポジションを取り、向正面で主導権を確保。
直線半ばまでリードを保ち、最後にモンジューの矢のような末脚に半馬身だけ捕らえられましたが、内容は勝ちに等しいものでした。
同年の欧州トップレベルが苦しむ条件での2着は、世界水準でもトップクラスの持久力を証明するパフォーマンスでした。
日本競馬が世界へ本格進出する契機となった歴史的名走です。






エルコンドルパサーの同世代・ライバルとの比較

同世代にはグラスワンダー、近い世代にはスペシャルウィークが並び、日本の古馬路線の層が非常に厚い時期でした。
国内ではマイル~中距離でスピードの持続力を武器に互角以上の戦いを演じ、海外では先行して押し切るスタイルで欧州の強豪とも堂々と渡り合いました。
総合力の比較では、消耗戦に寄るほど本馬の優位性が高まり、瞬発力一点の勝負では切れ味型が台頭する構図でした。
3着以下なしという堅実性は、名馬群の中でも特筆に値します。

エルコンドルパサーの世代トップクラスとの直接対決

毎日王冠ではサイレンススズカグラスワンダーと激突し、歴史的逃げに真っ向から挑んでの2着。
ジャパンカップではエアグルーヴスペシャルウィークらを撃破しました。
欧州でもクロコルージュモンジューらと互角以上の勝負を展開し、展開・馬場不問の適応力を示しました。
敗戦でも内容の質が落ちないのが本馬の特徴で、ラップの厳しさに比例してパフォーマンスが上がる稀有なタイプです。

エルコンドルパサーのライバルが競走成績に与えた影響

強敵の存在は戦法の洗練に直結しました。
サイレンススズカの圧倒的逃げを追走した経験は、先行ペースの見極めと仕掛けどころの精度向上へ繋がり、ジャパンカップでの早め抜け出しを成功させました。
欧州での先行押し切り策は、モンジュークロコルージュと対峙する中でL2まで脚を残す配分へ進化。
結果として消耗戦でもパフォーマンスを落とさない“世界基準”の戦い方へ到達しています。






エルコンドルパサーの競走スタイルと得意条件

理想はスタートから出して行き、好位~2番手でスムーズに折り合って直線入り口で先頭に立つ形です。
トップスピードを長く維持でき、瞬時の切れ味勝負に偏ると分が悪い一方、厳しいラップで地力を問われる展開では信頼度が上がります。
馬場は良~稍重がベストですが、重・不良でもフォームが崩れず粘り込めるのが大きな強みです。
広い直線のあるコースで持ち味が出やすく、枠順は内~中が理想的。隊列が流れるほど真価を発揮します。

エルコンドルパサーのレース展開でのポジション取り

二完歩で行き脚がつき、無理なく好位へ。道中は平均よりやや速い巡航ペースを自力で刻めるため、外から掛かってきても自分のリズムを崩しません。
仕掛けは3~4角で徐々に圧をかけ、直線半ばまでに先頭へ。ここで生まれたリードを最後の100メートルで二枚腰で守り切るのが勝ちパターンです。
ペースが緩んだ場合でも、早めに動いてロングスパート戦へ持ち込めば総合力で上回れます。
この“設計図”を何度でも再現できたことが、高勝率とビッグレースでの勝ち切りに直結しました。

エルコンドルパサーの得意な距離・馬場・季節傾向

距離は1600~2400メートルが最適で、特に2000~2400メートルでは先行押し切りの安定感が際立ちます。
良・稍重でパフォーマンスピーク、重・不良でも崩れにくい体質で、風や寒暖の影響下でもフォームが乱れにくいのが長所です。
季節は春と秋がベスト、夏場も大きく崩れず、輸送を挟んでもパフォーマンスが落ちにくいのが特徴でした。
持久力戦への適応が高いため、厳しい流れを歓迎しやすい稀有なタイプです。






エルコンドルパサーの引退後の活動と功績

2000年に種牡馬入りし、短い供用期間ながらヴァーミリアン(ダートG1多数)、アロンダイトジャパンカップダート)、ソングオブウインド菊花賞)など多彩なG1馬を輩出しました。
長距離で活躍したトウカイトリック、重賞勝ちのサクラオリオンなどタイプの幅も広く、父系の万能性と母系の底力を後世に伝えました。
2002年に腸ねん転で早逝したため後継確立の機会は限られましたが、限られた頭数で芝・ダート双方からG1馬を送り出した点は“量より質”の象徴です。
日本の配合地図において、スピードとスタミナの補完を狙う配合で重要な選択肢となり続けています。

エルコンドルパサーの種牡馬・繁殖牝馬としての実績

供用3世代でヴァーミリアンフェブラリーS川崎記念JBCクラシックほか)、アロンダイトジャパンカップダート)、ソングオブウインド菊花賞)などを送り、スピードと持久力の双方を高水準で伝えることを証明しました。
繁殖牝馬としても、前向きな気性と体幹の強さを娘たちが受け継ぎ、後年の重賞戦線に広く影響を与えています。
早逝により枝葉の伸長は限定的となりましたが、質量比で見れば非常に高い成果を残した種牡馬でした。

エルコンドルパサーの産駒の活躍と後世への影響

牡馬ではダート王者のヴァーミリアンが長く第一線で活躍し、芝ではソングオブウインドが日本の最長距離G1を制覇。
トウカイトリックのように長距離重賞で息長く走るタフなタイプも出しており、心肺機能と二枚腰の再現性が高いことがうかがえます。
産駒数の少なさにもかかわらず多方面に適性を示したことで、配合上はスピード×スタミナの補完における“万能の触媒”として重宝されました。
もし長く供用されていれば、ダート路線を中心にさらに多くの頂点馬を送り出した可能性は高かったでしょう。






エルコンドルパサーのよくある質問(FAQ)

なぜ日本のクラシック三冠には出走していないのですか?

当時は外国産馬(いわゆるマル外)のクラシック出走枠が制限されており、三冠路線では十分な機会がありませんでした。
代替ルートとして新設間もないNHKマイルカップを選択し、ここを勝利して実力を証明しました。

凱旋門賞での2着はどのような価値がありますか?

重い馬場で先行して押し切る消耗戦を半馬身差まで粘った内容は、世界のトップホースと互角に戦える地力を示すものです。
同年の欧州トップが苦しむ条件下での2着は、歴史的評価に値します。

得意な距離や条件は?

1600~2400メートルが最も安定し、先行して長く脚を使う展開が理想です。
良~稍重でパフォーマンスピークですが、重・不良でも粘れます。
広い直線のあるコースが合い、内~中枠が理想です。

主なライバルは誰ですか?

国内ではグラスワンダースペシャルウィーク、前哨戦やG2ではサイレンススズカと当たり、海外ではモンジュークロコルージュらと名勝負を繰り広げました。
内容の質が高く、敗戦でも価値が落ちないのが特徴です。

産駒はどのようなタイプに出ますか?

スピードと持久力のバランスが良く、芝・ダート問わず中距離~長距離での活躍が目立ちます。
相手の長所を素直に引き出す“相性の良さ”も評価されています。






エルコンドルパサーの成績表

日付 開催 レース名 人気 着順 騎手 距離 馬場 タイム
1997/11/08 東京 3歳新馬 1 1 的場均 ダ1600 1:39.3
1998/01/11 中山 4歳500万下 1 1 的場均 ダ1800 不良 1:52.3
1998/02/15 東京 共同通信杯4歳S(G3)※ダート替わり 1 1 的場均 ダ1600 不良 1:36.9
1998/04/26 東京 NZT4歳S(G2) 1 1 的場均 芝1400 1:22.2
1998/05/17 東京 NHKマイルカップ(G1) 1 1 的場均 芝1600 1:33.7
1998/10/11 東京 毎日王冠(G2) 3 2 蛯名正義 芝1800 1:45.3
1998/11/29 東京 ジャパンカップ(G1) 3 1 蛯名正義 芝2400 2:25.9
1999/05/23 ロンシャン イスパーン賞(G1) 2 蛯名正義 芝1850 1:53.7
1999/07/04 サンクルー サンクルー大賞(G1) 1 蛯名正義 芝2400 2:28.8
1999/09/12 ロンシャン フォワ賞(G2) 1 蛯名正義 芝2400 2:31.4
1999/10/03 ロンシャン 凱旋門賞(G1) 2 蛯名正義 芝2400 不良 2:38.5






エルコンドルパサーのまとめ

エルコンドルパサーはマイルから2400メートルまで高水準の走りを示し、国内外のG1で“先行して押し切る”完成度の高いレース運びを武器に世界基準の評価を獲得しました。
血統は父Kingmambo、母父サドラーズウェルズの黄金配合で、スピードとスタミナの絶妙なバランスがキャリア全体を支えました。
種牡馬としては短命ながら芝・ダート双方でG1馬を輩出し、配合上の重要な座標として今なお語り継がれています。
日本競馬が世界の頂点を本気で目指す扉を押し広げた存在として、永く記憶されるべき名馬です。


-1995年生まれ, 牡馬
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