2007年生まれ 牝馬

カレンチャン完全ガイド|血統・成績・エピソードで辿る生涯

カレンチャン






カレンチャン完全ガイド|血統・成績・エピソードで辿る生涯






カレンチャンとは?【競走馬プロフィール】

カレンチャンは2011年スプリンターズS(G1)と2012年高松宮記念(G1)を制した日本の快速牝馬です。

ロードカナロアら強豪としのぎを削ったスプリント路線で、先行から長く脚を使う再現性の高い勝ち筋を確立しました。

父はクロフネ、母はスプリングチケット(母父:トニービン)という配合で、パワーと持続的な加速を武器に国内外で存在感を示しました。

通算18戦9勝、JRA賞最優秀短距離馬などのタイトルを獲得し、産駒のカレンモエもOPクラスで活躍するなど血脈の広がりも見せています。短距離女王の歩みを、血統・成績・エピソードから立体的に辿ります。

生年月日 2007/03/31
性別・毛色 牝・芦毛
生産 社台ファーム(北海道千歳市)
調教師 安田隆行/栗東
馬主 鈴木隆司
通算成績 18戦9勝(国内16戦9勝、海外2戦0勝)
主な勝ち鞍 スプリンターズS(G1)、高松宮記念(G1)、阪神牝馬S(G2)、函館スプリントS(G3)、キーンランドC(G3)
クロフネ
スプリングチケット(母父:トニービン




目次

カレンチャンの血統背景と特徴

クロフネ×母スプリングチケット(母父トニービン)という配合は、スプリントで要求されるスピードとスタミナの両立を図ったバランス型です。

父由来のダート適性とパワーは芝の短距離でも推進力に転化し、母父由来のしなやかな持続性能が末の伸びの安定性を生みました。

牝系は小回り1200mでの先行持続戦に強く、直線入り口で一度ギアを上げてから高い巡航速度を維持するのが最大の美点でした。

芝1200mでの平均ラップを高水準で刻みながら、加速区間で再度トップスピードへ乗せ直す二段階の加速ができる点が特徴で、ペースが流れてもブレない再現性の高さが勝ち星の量産につながりました。

カレンチャンの父馬・母馬の戦績と特徴

クロフネはNHKマイルC、ジャパンCダートを圧勝した名馬で、産駒は芝・ダ兼用のスピード持続型が多く、短距離〜マイルで機動力と底力を見せる系統です。

スプリングチケットは芝マイル〜中距離で堅実に走った牝馬で、胴長の体型と柔らかい捌きから持続ラップでの強さが目立つタイプでした。

母父トニービン由来のしなやかさと体幹の強さは直線でのフォーム維持に寄与し、コーナーでスムーズに加速しやすい配合要素となりました。

この父母の組み合わせは先行して長く脚を使う戦法と親和性が高く、テンの速さだけに依存せずに勝ち切る設計で、安定して上位に顔を出す堅牢性を生み出しました。

産駒の中にはカレンモエのようにスプリント重賞で上位争いを続ける馬もおり、母系が伝える完成度の高さは繁殖面でも評価されています。

カレンチャンの血統から見る適性距離と馬場

適性距離の中核は芝1200mで、条件により芝1400mまで対応しましたが、ベストは速い流れを先行して直線で再加速できる1200m戦でした。

時計が速い良馬場でこそ推進力が最大化し、1分7秒台前半の決着にも対応できる高い巡航能力を示しました。

一方で重馬場では掻き込みの強さで走破はできるものの、トップギアに入るタイミングが一拍遅れやすく、早めに動く判断が重要でした。

配合上はパワーと持続力が核で、極端な瞬発力勝負よりも前半から平均以上に流れる展開が理想であり、ヘッドウインドの強いシチュエーションでもフォームが崩れにくい安定性を保持していました。




カレンチャンのデビューまでの歩み

デビューは2歳の年末、阪神ダ1200mの新馬戦で2着に好走し、スピード資質を早々に示しました。

3歳1月のダ1200m未勝利を快勝後、芝へ矛先を向けると萌黄賞(500万下)を先行抜け出しで連勝し、芝適性の高さを証明しました。

春はフィリーズレビュー(G2)に挑戦して8着と壁に当たりましたが、葵S(OP)で2着と立て直し、夏の函館で潮騒特別(1000万下)を完勝してオープンへの足場を固めました。

この過程でスタート後の二完歩の速さと、直線でフォームを崩さずに加速を継続できる強みが明確になり、以後の短距離路線での快進撃につながる下地が形成されました。芝転向での適性開花が鮮やかだった世代の有力牝馬でした。

カレンチャンの幼少期から育成牧場での様子

幼少期から胴伸びのある体型に対して四肢の捌きが軽く、キャンターでの回転が速いのが特徴でした。

坂路では序盤で無理に行かず、後半のラップを詰めるメニューで心肺機能とフォーム維持の両立を徹底し、強い負荷でも背腰の沈みが小さい点が評価されました。

放牧時は前躯から推進力を生むタイプながら後肢の送りがスムーズで、周回コースでも頭頸を固定しすぎない自然な姿勢を保てました。

この下地が先行してからもう一段ギアを上げる持続的な加速に結び付き、後年の高速決着でも最後まで脚色が鈍らない武器になりました。フォーム保持能力の高さは育成段階から顕著だったと言えます。

カレンチャンの調教師との出会いとデビュー前の評価

栗東の安田隆行厩舎で仕上げられ、基礎期は実戦形式の終い重点追いを多用し、ラスト2Fのギアチェンジにフォーカスした調整が行われました。

助手や騎手からは早い段階で二の脚の良さと息の入りの速さが指摘され、テンから速いラップでも終いが甘くならない点が高く評価されました。

デビュー前の評価は「短距離で上のクラスまで狙える」というもので、芝替わりでの変わり身も想定されていました。

実際に芝へ転じてからは先行押し切りの再現性が増し、ハイラップでも脚色に鈍化が少ないため、厩舎としても積極的にスプリント重賞へ向かう方針が固まりました。短距離での完成度を武器に、古馬になって本格化のピークを迎える設計でした。




カレンチャンの競走成績とレース内容の詳細

3歳春のフィリーズレビュー(G2)での敗戦を糧に、夏の函館スプリントS(G3)と札幌のキーンランドC(G3)を連勝して一気に重賞戦線の主役に躍り出ました。

秋のスプリンターズS(G1)では好位から直線早め先頭で押し切りG1初制覇を達成し、その後も海外遠征を含めて上位を外さない安定感を示しました。

4歳春はオーシャンS(G3)4着から高松宮記念(G1)を差し返す形で勝利し、スタート後の二完歩とコーナー出口の再加速でアドバンテージを築く戦い方を確立しました。

秋はセントウルS(G2)4着からスプリンターズS(G1)2着、遠征の香港スプリント(G1)7着でラストランを終え、短距離路線のトップホースとして充実期を駆け抜けました。重賞5勝の内容はいずれも展開に依存しにくい完勝型で、信頼性の高い走りが際立ちました。

カレンチャンの新馬戦での走りとその後の成長

新馬戦は阪神ダ1200mで2着でしたが、スタート直後からの加速の鋭さとコーナーでのロスの少なさが光り、素質を示す内容でした。

続く未勝利戦を先行押し切りで突破し、芝へ矛先を向けた萌黄賞(500万下)で1分9秒7の好時計を記録して短距離適性が明確化しました。

フィリーズレビュー(G2)では道中の位置取りが後ろになり伸び切れずに8着でしたが、葵S(L)2着、潮騒特別(1000万下)1着で巻き返し、古馬混合でも通用する推進力を証明しました。

古馬になってからは伏見S、山城Sを足がかりに阪神牝馬S(G2)を快勝し、夏のスプリント重賞連勝、秋のスプリンターズS(G1)制覇へと直結しました。成長曲線の右肩上がりが顕著で、心身両面の充実が大舞台での安定感につながりました。

カレンチャンの主要重賞での戦績と印象的な勝利

阪神牝馬S(G2)は内枠から先行して直線で粘り込み、1分20秒4の好時計で重賞初制覇を果たしました。

函館スプリントS(G3)は平均より速いラップを先行3番手から4角で前を射程に入れ、直線で一気に抜け出す横綱相撲でした。

キーンランドC(G3)は札幌の軽い馬場で機動力を生かし、手応え良く抜け出して余力を持っての完勝でした。

スプリンターズS(G1)は好位の内でロスなく運び、直線半ばで先頭に立って押し切る王道の勝ち方で、以後のスプリント路線を牽引する立場を確立しました。

高松宮記念(G1)では道悪の影響を受けながらも直線で再加速し、ゴール寸前で差し返す勝負強さを示してG1・2勝目を手にしました。展開不問の総合力が際立ったシーズンでした。

カレンチャンの敗戦から学んだ課題と改善点

フィリーズレビュー(G2)8着や道悪の一部レースでは、加速のスイッチが遅れると末脚の伸びが鈍る課題が見えました。

そこでコーナー出口で早めに前へ取り付く騎乗と、直線入り口でのフォーム再固定を意識する戦術へ調整し、テンが流れた時ほどパフォーマンスが安定する形を確立しました。

海外遠征ではゲートでの一瞬のロスが響いたケースがあり、国内以上にスタートの細部が重要であることを学びました。

総じて、先行して長く脚を使う型を徹底し、位置取りの微調整と仕掛けのタイミングを最適化することでパフォーマンスのブレを小さくし、G1級の安定感を実現しました。改善の積み上げが結果に直結した好例でした。




カレンチャンの名レースBEST5

カレンチャンの名レース第5位:阪神牝馬S(G2)

内枠から好スタートを決めて先行集団のインに収まり、3角〜4角でのロスを最小化して直線へ。

早めに抜け出すと後続の強襲を半馬身差で封じ、1分20秒4の好時計で重賞初制覇を飾りました。

道中は12.0秒前後のラップを刻む流れの中でラストも減速幅が小さく、フォームのブレない強みが最大限に生きました。

1400mへの対応力も示しつつ、直線の再加速で粘り込むスタイルの原型がここで確立されました。

カレンチャンの名レース第4位:函館スプリントS(G3)

スタート後に無理なく2〜3番手へ取り付き、コーナーは外を回さず最短距離で進出しました。

直線入り口で手前を替えると同時にスッとギアが上がり、一気に抜け出して押し切る正攻法で完勝しました。

洋芝でも推進力が落ちない点を示し、ペースが流れる中でも最後の1Fで大きく止まらない持続性能が強みでした。

平均より速い前半を受けても最後まで脚色の鈍化が小さく、勝ちパターンの再現性を証明した一戦でした。

カレンチャンの名レース第3位:キーンランドC(G3)

札幌の軽い馬場で先行して4角手前から進出を開始し、直線で再加速して後続を完封しました。

ラスト3Fのラップ推移がほぼフラットで、トップスピードへ到達してからの維持力が極めて高い内容でした。

この勝利で短距離重賞連勝となり、秋のG1に向けて盤石の体勢を構築しました。

道中での息の入りが速く、ペース変動に動じない持続力が際立ったレースでした。

カレンチャンの名レース第2位:スプリンターズS(G1)

好位の内で脚を溜め、直線半ばで進路が開くと一気に抜け出してのG1初制覇でした。

前半から流れる展開でも折り合いを欠かず、4角で加速を開始してからのトップスピード維持が秀逸でした。

直線で最内を捌く冷静さとコーナーワークの正確さがかみ合い、最後は力でねじ伏せる内容でした。

以後の短距離路線をけん引する存在となり、勝ち切る決定力を見せつけました。

カレンチャンの名レース第1位:高松宮記念(G1)

道悪の中京で先行して一旦は交わされながらも、ゴール前で差し返しての鮮烈なG1制覇でした。

重馬場での推進力低下をフォーム維持でカバーし、最後の1完歩で再び前へ出る勝負根性を発揮しました。

展開に左右されにくい持続型の強みを最大限に生かし、厳しい条件下での勝負強さを示した名勝負でした。

この一戦でスプリント女王の地位を不動のものとし、以後の評価を決定づけました。




カレンチャンの同世代・ライバルとの比較

短距離路線ではサンカルロパドトロワワンカラット、そして翌年以降に台頭するロードカナロアらと高水準の争いを繰り広げました。

先行して押し切る王道の型で勝ち切る一方、差し脚質の強豪が揃った年でも直線での再加速により対抗し、着順を大きく崩さない堅実さが光りました。

指数面でもピーク期は上位の常連で、展開不問の安定度では同世代屈指でした。

総合的には、決め手偏重の差し馬よりもレースの主導権を握りやすい点が強みで、ハイペース適性という相対優位で世代トップクラスに位置しました。

カレンチャンの世代トップクラスとの直接対決

スプリンターズS(G1)やキーンランドC(G3)では先行優位の流れを活かして完勝し、古馬混合での地力の高さを証明しました。

高松宮記念(G1)では直線で一度差されながらも差し返す勝負根性を発揮し、相手の脚色を削る位置取りの妙が奏功しました。

秋のスプリンターズS(G1)2着ではロードカナロアの末脚に屈したものの、道中の立ち回りで最後まで食い下がる競走内容でした。

海外の香港スプリント(G1)でも上位争いに加わり、国際舞台で通用する基礎スピードを示しました。対一流相手の適性という観点でも評価が高い一頭です。

カレンチャンのライバルが競走成績に与えた影響

差し脚質のサンカルロや、ハナを主張する逃げ馬との対戦を通じて、中盤の僅かな緩みを作らない運びが定着しました。

先行勢が多い時は道中で外からプレッシャーを受ける場面もありましたが、コーナーでの機動力と直線入り口での再加速で凌ぎ切る術を身につけました。

結果として、ハイラップの持続戦ほどパフォーマンスが安定するスタイルに洗練され、重賞での取りこぼしが少ない安定株となりました。

国際舞台の経験も加わり、どの相手関係でも自分の型へ持ち込む術を確立したことがキャリア全体の価値を押し上げました。




カレンチャンの競走スタイルと得意条件

理想はスタート後に二完歩でスピードに乗り、好位の内外2列目で我慢して4角で進路を確保、直線で再加速して押し切る形です。

平均より速い流れを苦にせず、先行集団の外を回さない立ち回りを徹底すれば末脚のロスが小さくなります。

時計の速い良馬場と平坦〜直線の長いコースで持続力が最大化し、道悪でもフォームを崩さなければ対応可能です。

総じて、位置取りの妙とコーナーワークの正確さが結果を左右し、展開に左右されにくい戦術的完成度が武器でした。

カレンチャンのレース展開でのポジション取り

ゲート後の二完歩で二列目を確保するのが基本で、外から被されるリスクを減らしつつ折り合いを付ける運びが理想でした。

向正面では隊列の緩みに合わせて軽くハミを取らせ、3角での加速開始地点を前倒ししすぎないようワンテンポ待つのが好結果につながりました。

4角では外に振られないようタイトに回り、直線入り口で手前を替えた瞬間にトルクが立ち上がるのを促して伸び脚を引き出します。

この一連の所作により、加速区間でのロスを最小化し、最後まで脚色を維持することができました。位置取りの最適化が勝敗を分けるタイプでした。

カレンチャンの得意な距離・馬場・季節傾向

ベストは芝1200mで、芝1400mも対応可能ですが、スピードに寄った1200mの流れでより高いパフォーマンスを発揮しました。

馬場は良〜稍重で高い再現性を示し、洋芝の函館・札幌でも持続型の脚質が生きました。

季節面では夏場から秋にかけての充実期に大きなパフォーマンスを示し、冬場の道悪でも対応力を見せました。

総合して、先行して粘る展開と噛み合った時に勝ち切る確率が高まるタイプでした。




カレンチャンの引退後の活動と功績

現役引退後は社台ファームで繁殖牝馬となり、代表産駒のカレンモエ(父ロードカナロア)は短距離重賞で上位争いを続け、Lクラスの勝利や重賞好走で存在感を示しました。

初仔のカレンスレイ(父ディープインパクト)など配合の幅も広く、スピード持続型の資質を安定して伝える系統として評価されています。

母系の持続力とフォームの良さが子へと伝わりやすく、今後もスプリント〜マイル路線での活躍馬の誕生が期待されます。

現役時代に築いた安定感と血統的な再現性は繁殖成績にも波及し、スプリント界の層を厚くする存在となっています。

カレンチャンの種牡馬・繁殖牝馬としての実績

繁殖牝馬としてはスピード持続型の配合で成果を上げ、特にロードカナロアとの配合で誕生したカレンモエがオープン級で安定して結果を残しました。

父系にクロフネを持ち、母父にトニービンを持つ配合が子へ伝える体幹の強さは、直線でのフォーム維持と再加速のしやすさに結びついています。

配合の方向性はスピード×持続力の強化が中心で、マイル寄りのスタミナを加えることで適性の幅を広げる狙いも可能です。

総じて、スプリント路線で上位争いを続けるための再現性を産駒が受け継いでおり、今後の世代にも期待が持てます。

カレンチャンの産駒の活躍と後世への影響

カレンモエを筆頭に、各世代で短距離適性を示す産駒が台頭し、スプリント戦線の層の厚さに貢献しています。

近年は配合パターンの多様化により、より強いスピード持続力と完成度の高い仕上がりを備えたタイプが増えています。

母が示した先行持続型の勝ち筋は時代が変わっても通用し、後継牝系として価値を高めています。

結果として、短距離路線における血脈の継承という観点で、長期的な影響力を持つ存在になっています。







カレンチャンのラップ・指数から見る強さ

勝ち鞍の多くに共通するのは、中盤での減速幅が小さく4角通過後にトップスピードへ素早く再到達する点で、スプリント戦の本質である巡航の高さを数字が裏付けています。

函館スプリントS(G3)とスプリンターズS(G1)では先行してからの維持力が抜群で、道中のラップが緩みにくい持続戦でこそ優位性が顕著でした。

指数推移もピーク帯でフラットに推移しており、条件変更時のブレが小さい再現性が強みでした。

主要勝利のラップ分解とペース耐性

阪神牝馬S(G2)は前半から水準以上の流れを受けながら中盤のラップ低下が軽微で、直線では半馬身差を押し広げる理想的な持続戦でした。

函館スプリントS(G3)は12.0秒前後の巡航を刻み、4角出口で最短距離から抜け出して押し切り、減速幅の小ささが勝因になりました。

スプリンターズS(G1)はインで脚を温存し、直線半ばで一気にギアが上がって1:07.4でフィニッシュしました。

いずれも先行持続型のペース耐性が数値に現れており、展開不問の総合力を示しています。

ピーク期の指数推移と再現性

重賞連勝からG1制覇を挟む時期の指数は前走比の上下が小さく、体調管理と戦術の適合が高水準で噛み合っていました。

セントウルS(G2)4着からスプリンターズS(G1)2着への巻き返しは、対一流相手でも数値の底上げが効くタイプであることの証左です。

海外の香港スプリントではスタートのロスがあり指数はやや落ちましたが、国内復帰後はすぐ水準上へ戻しており、適性の差が明快でした。

総じて、年をまたいでも安定再現できる完成度が、タイトル積み上げの土台でした。

カレンチャンのよくある質問(FAQ)

Q.主な勝ち鞍は?

A.スプリンターズS(G1)と高松宮記念(G1)でG1を2勝し、阪神牝馬S(G2)、函館スプリントS(G3)、キーンランドC(G3)も制しています。

主要タイトルはスプリント路線の王道実績と言えます。

Q.ベストの適性距離は?

A.ベストは芝1200mです。

平均以上に流れるペースで先行し、直線で再加速する展開で最大パフォーマンスを発揮します。

芝1400mにも対応可能ですが、持続的スピードを活かすには1200mが最適という適性評価です。

Q.代表的なライバルは?

A.ロードカナロアサンカルロパドトロワワンカラットなどです。

位置取りと末脚の質が問われる中で、先行持続型の強みで上位を確保しました。

勝敗を分けた鍵は4角の位置と直線入口での再加速でした。




カレンチャンの成績表

日付 開催 レース名 人気 着順 騎手 距離 馬場 タイム
2009/12/26 阪神 2歳新馬 1 2 武豊 ダ1200m 1:14.3
2010/01/16 京都 3歳未勝利 1 1 国分恭介 ダ1200m 1:13.1
2010/02/07 中京 萌黄賞(500万下) 2 1 鮫島良太 芝1200m 1:09.7
2010/03/14 阪神 フィリーズレビュー(G2) 6 8 鮫島良太 芝1400m 1:23.2
2010/05/15 京都 葵S(L) 2 2 池添謙一 芝1200m 1:07.6
2010/06/19 函館 潮騒特別(1000万下) 2 1 池添謙一 芝1200m 1:08.8
2011/01/23 京都 伏見S(1600万下) 1 3 池添謙一 芝1200m 1:09.3
2011/02/19 京都 山城S(1600万下) 1 1 川田将雅 芝1200m 稍重 1:09.2
2011/04/09 阪神 阪神牝馬S(G2) 1 1 池添謙一 芝1400m 1:20.4
2011/07/03 函館 函館スプリントS(G3) 1 1 池添謙一 芝1200m 1:08.0
2011/08/28 札幌 キーンランドC(G3) 1 1 池添謙一 芝1200m 1:08.6
2011/10/02 中山 スプリンターズS(G1) 3 1 池添謙一 芝1200m 1:07.4
2011/12/11 香港 香港スプリント(G1) 5 5 池添謙一 芝1200m 1:09.4
2012/03/03 中山 オーシャンS(G3) 1 4 池添謙一 芝1200m 1:09.4
2012/03/25 中京 高松宮記念(G1) 2 1 池添謙一 芝1200m 1:10.3
2012/09/09 阪神 セントウルS(G2) 3 4 池添謙一 芝1200m 1:07.4
2012/09/30 中山 スプリンターズS(G1) 1 2 池添謙一 芝1200m 1:06.8
2012/12/09 香港 香港スプリント(G1) 7 7 池添謙一 芝1200m 稍重 1:09.2





カレンチャンのまとめ

先行して長く脚を使う再現性の高い勝ち筋を武器に、スプリント路線の中心で結果を出し続けた名牝でした。

血統面ではクロフネのパワーとトニービンのしなやかさを併せ持ち、あらゆる展開に対応できる安定性が強みでした。

現役で築いた資質は繁殖でも受け継がれ、産駒の活躍を通じて短距離戦線に影響を与え続けています。

スプリントの歴史に刻まれた価値は色褪せず、今なお多くのファンに愛される存在です。


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